輸入住宅の特徴

輸入住宅とは、基本的には欧米の住宅と考えていいでしょう。欧米の住宅は、そのデザインや間取り、そして性能などが、日本とは違う考え方でつくられています。日本の伝統的な建物もそうであるように、欧米の住宅もその地域の文化や環境などに合わせて進化してきました。
欧米の独特な設計思想には、ヨーロッパスタイルの建物のデザインや、寒冷地域であることから高い断熱性を持つことなどが挙げられます。また、欧米の住宅の特徴として、間仕切りを減らして、ゆったりとした広い空間をつくる点が挙げられます。そのゆったり感は、住宅の基準寸法の違いによるものでもあります。
日本の住宅が910mmを基本とするのに対して、北米は1,220mm、北欧は1,000mmを基準にしています。この違いは、部屋の広さだけでなく、窓やドアの大きさや、廊下の幅などにも顕著に現れ、居住空間のゆったり感に大きく影響します。
輸入住宅は、このような欧米の設計思想を、日本の家づくりに取り入れようという発想から出発しているのです。
しかし、欧米の設計思想を100%そのまま流用するというケースはほとんどありません。そもそも日本人は、家の中では靴を脱いで生活するために、玄関には上がり框を設置しなければなりません。畳の部屋を希望する場合には、輸入住宅に和室を設置するでしょう。
浴室の考え方も日本と欧米では大きく異なってきます。また、建物を建てる場合には日本の建築基準法を守る必要があります。つまり、輸入住宅とは、欧米の設計思想を日本の生活様式や法律に合わせてアレンジしたものといえます。