気密性と断熱性

寒冷な環境である北米や北欧で生まれた2×4工法やパネル工法というものは、その気密性と断熱性を高い状態で維持することができるのです。基本的に建物を壁という面で構築していくために、すき間というものができにくく、その分気密性を確保しやすいといえます。
気密性と断熱性の大きく関わってくる開口部においても、複層ガラスのサッシや内部に断熱材を敷き詰めたドアなどが、早い時期から開発されているため、厳しい屋外の環境とは隔絶された過ごしやすい室内空間というものを作っているのです。
日本においても、近年では環境問題などの対策として、軸組み構法でも高気密化と高断熱化を図る技術や工法が急速に発展しています。そして現在では、2×4工法やパネル工法に決して引けを取らない性能を発揮できるようになっています。
輸入住宅の特徴でもある気密性と断熱性は、省エネ性とも関係してきます。気密性や断熱性が高いほど、内外の熱の移動というものを遮断するため、エアコンの運転効率が向上するからです。
間仕切りを減らしたり、室内のドアにガラスを設置して空気の移動を可能にすれば、建物内のどこでも同じ温度に保てる快適な環境が作れます。輸入住宅は気密性や断熱性が高く、建物の密閉性が高いために、その遮音性も高くなるのです。
しかし、外部の音が聞こえづらい室内は、快適である半面、外部の危険に気付きにくいという欠点も持っています。また、外部に対する遮音性を上げると、室内での反響音も大きくなることもあるため、間仕切り壁や室内ドアなどの遮音性にも配慮する必要があります。